全長のシングルセル RNA シークエンシングのデータは、アイソフォーム、融合、発現変異などのがんのトランスクリプトームの特徴を理解する上で重要な洞察を提供します。しかし最近まで、遺伝子発現に基づく細胞のタイピングは、シークエンシングの深度が十分ではないために、ロングリードでは困難でした。
最近のプレプリントで、Dondi ら (2022) は、転写産物のコンカテネーションと高精度ロングリードシークエンシング (HiFi シークエンシング) を用いてシークエンシングの深度を増加させました。この増加により、ショートリードを必要とせずに細胞タイプの識別が可能となり、多くの新たなアイソフォームを検出することができました。また、融合や、細胞特異的および細胞タイプ特異的なアイソフォームの使用も検出し、腫瘍細胞と中皮細胞におけるアイソフォーム発現の違いも明らかにしました。
著者らは、「今後のロングリードのスループットが同等かより向上した研究では、並行したショートリードシークエンシングに頼る必要がなくなり、コストと労力が節約されるだろう」と結論付けています。
本ウェビナーでは、著者の Dondi が、以下について議論します。
・細胞種特異的な既知および新規アイソフォームの検出
・同じ scRNA-seq データセットからの全長アイソフォーム、変異、融合の補足と定量
・対応するショートリードデータで誤分類された遺伝子融合の検出
日時 2023年7月6日(木) 16時~17時 (日本時間) 英語・無料
本ウェビナーの詳細はこちら
https://programs.pacb.com/l/1652/2023-06-08/43zcwv