近接ライゲーションテクノロジーDovetail Genomics®
Targeted Enrichment キット
ターゲットエンリッチメントとは?
次世代シークエンサー(NGS)は、ゲノム全体の遺伝情報を取得するために非常に強力なツールです。しかし、研究対象領域が明確で限られた範囲にある場合は、ターゲットを絞り込んだアプローチの方が適しており、研究全体のコストも削減することができます。そのためには、目的ゲノム領域をターゲットとするキャプチャープローブとシークエンスライブラリをハイブリダイズさせ、シークエンスの前に捕捉することで、目的ゲノム領域でライブラリを濃縮することができます。その結果として、ターゲット領域の目標シークエンスカバレッジを達成するために必要なシーケンス量も減らすことができます。
近接ライゲーションライブラリへのターゲティングエンリッチメントの応用
ターゲットエンリッチメントは、近接ライゲーションライブラリと組み合わせることができ、Capture-Hi-Cと呼ばれています。しかし、エンリッチメントパネルのデザインの際には、ライブラリのバイアスを考慮する必要があります。
従来の制限酵素型のHi-Cライブラリの場合では、制限部位が不均一に分布しているため、最終的なライブラリのカバレッジに偏りが生じてしまいますが、Dovetail® Micro-CまたはOmni-C®では、配列に依存しないヌクレアーゼを採用しているため、このバイアスの問題を排除することができます。
また、現在市販されている多くのターゲットエンリッチメントパネルも、Dovetail®のキットと互換性はありますが、ほとんどはクロマチントポロジー研究を念頭に置いて設計されたものではありません。そこでDovetail Genomics社では、遺伝子プロモーターサイトに関連したクロマチントポロジーの研究のために、Dovetail® Human/Mouse Pan Promoter Enrichment Kitを開発しました。
Dovetail® Human/Mouse Pan Promoter Enrichment Kit
Dovetail® Human/Mouse Pan Promoter Enrichment Kitは、ヒトの84,000以上のプロモーター配列、または、マウスの47,000以上のプロモーター配列をターゲットとしており、プロモーターのランドスケープを包括的にカバーしています。Dovetail® Micro-CまたはOmni-C® kitと組み合わせてお使いいただくことで、既知のプロモーターサイトに関連付けられた相互作用情報をゲノムワイドに検出し、プロモーター-エンハンサーやプロモーター-プロモーターコンタクトなどのプロモーター特異的な相互作用の解析を可能にします。
Dovetail® Human/Mouse Pan Promoter Enrichment Kit 主な特徴
ヒト/マウスのプロモーター領域を網羅的にカバー
ヒトまたはマウスのプロモーター領域をそれぞれ98%以上カバーしています。
高い解像度と再現性
バランスや条件が最適化された検証済みパネルにより、相互作用情報を高解像度に、実験間で一貫して検出することができます。
必要なシークエンス量を90%以上削減
目的プロモーター領域のカバレッジを損なうことなく、シークエンス量は1/10に抑えることができます。
既存ワークフローに簡単に組み込みが可能
Dovetail® Micro-CまたはOmni-C® kitのワークフローにハイブリダイゼーションキャプチャーが加わるだけで、他に変更はありません。
ヒト/マウスのプロモーター領域を網羅的にカバー
Dovetail® Human/Mouse Pan Promoter Enrichment Kitは、ヒトまたはマウスのプロモーター領域をそれぞれ98%以上カバーしており、既知のプロモーターと相互作用する既知および未知の制御要素を解析するのに最適です。ヒトでは、84,000以上のプロモーターと27,000以上のコーディング遺伝子とノンコーディング遺伝子を、マウスでは、47,000以上のプロモーターと24,000以上のコーディング遺伝子とノンコーディング遺伝子をカバーしています。
標準的な Hi-C法と比較して、必要なシークエンス量を90%以上削減
標準的なHi-C法でも、高解像度(通常5 kb以上)のクロマチンループをコールすることで、プロモーターの相互作用を検出することができますが、これらのコールをサポートするのに十分なリードデプスを得るためには、10億リードを超えるシークエンスデプスが必要です。
Dovetail® Human/Mouse Pan Promoter Enrichment KitをDovetail® Micro-CまたはOmni-C® kitと組み合わせてお使いいただくことで、プロモーター領域のカバレッジを損なうことなく、シークエンス量は1/10に抑えることができます。
高いエンリッチメント再現性
各パネル内では、エンリッチメントプローブのバランスを取り、エンリッチメント条件を最適化することで、実験間で一貫した結果を得ることができます。
S/N比の改善によるプロモーター特異的相互作用の高解像度検出
ターゲットを絞ったアプローチにより、ライブラリ全体の乱雑さを軽減して目的のコンタクトのシグナルを高め、全体のバックグラウンドシグナルを低減します。その結果、シークエンスをより効率的に用いることができ、目的の領域内のコンタクトのエビデンスをより多く得ることができます。
Dovetail® Micro-CまたはOmni-C®のワークフローに簡単に組み込むことができます
ハイブリダイゼーションによるキャプチャーは、シークエンシング直前の近接ライゲーションライブラリに対して行われるため、上流の近接ライゲーションのワークフローに変更はありません。既存のDovetail® Micro-CまたはOmni-C®ライブラリでは、このために新しいライブラリを作成することなく、ターゲットのエンリッチメントを行うことができます。
製品仕様
Dovetail® Human Pan Promoter Enrichment Kit
カタログ番号 | #25013 |
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製品内容 | 4反応分 (4×8=32ライブラリ分) |
Dovetail® Mouse Pan Promoter Enrichment Kit
カタログ番号 | #25014 |
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製品内容 | 4反応分 (4×8=32ライブラリ分) |
※ご使用の際は別途、Dovetail® Micro-C キットまたはOmni-C® キットが必要です。
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