よくあるご質問
Platinum®
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Platinumの検出原理を教えてください。
Platinumの検出原理は特定のアミノ酸に結合する酵素に蛍光色素で標識した「レコグナイザー」を用いて、レコグナイザーとアミノ酸間の結合イベントから得られる蛍光シグナルの特性 (結合動態*、蛍光強度、蛍光寿命**) に基づきアミノ酸を特定します。
*結合動態:レコグナイザーの結合は可逆的で結合と解離を繰り返します。この結合の動態を検出します。この結合動態はアミノ酸種によって変化します。
**蛍光寿命:励起されてから蛍光が基底状態に戻るまでの蛍光寿命を検出します。
実際の測定時には、まずQuantum-Si社のライブラリー調製キットを用いてタンパク質をLys-Cによりペプチド断片に消化します。その後、ペプチド断片を固定化したシークエンシングチップにレコグナイザーとアミノペプチダーゼをアプライし、Platinum本体に挿入しシークエンスを実施します。シークエンスしたデータはPlatinumのクラウド解析ソフトウェアで解析され、ご自身のパソコンからこの結果を確認することができます。
さらに詳細な説明をご希望のお客様は、お問い合わせください。
シークエンスの特長として謳っている「1分子分解能」とはどういう意味ですか。
Platinumが搭載するダイレクトシークエンスとは、レコグナイザーによって結合動態を検出する工程とアミノペプチダーゼによりアミノ酸をひとつずつ切断する工程を繰り返すことで、標的ペプチド/タンパク質を1アミノ酸ずつシークエンスするQuantum-Si独自の手法です。1分子分解能とは、このダイレクトシークエンスによる解析結果を示しております。
解析するサンプルに条件はありますか。
下記の条件を推奨しております。
ですが、この条件以外では解析できないという意味ではございませんので、詳しくはお問い合わせください。
量 | 5 µMの濃度で100 µL |
サイズ | 10-80 kDa |
複雑性 | 10種類以下のタンパク質混合液 |
タンパク質種 | リファレンス配列のある既知のタンパク質 |
推奨濃縮方法:SDS-PAGE及びゲル抽出、カラムからのフラクションの回収、Hisタグ、免疫沈降、共免疫沈降
解析するタンパク質とPlatinumの相性はありますか。
ライブラリ-調整キットに含まれるLys-Cで消化処理した場合に生じるペプチド断片や、V3試薬によって認識できるFYWLIVRASNQDEの13種類のアミノ酸の含有率などの要素から、相性はございます。詳しくはお問い合わせください。
アミノ酸の繰り返し配列を認識することができますか。
Platinumにより検出されるrecognition segments (RSs) 認識セグメントの数値から、レコグナイザーによって認識されている時間を確認することができ、ある程度の繰り返し配列を予測することは期待できます。ですが、必ずしも正確な数を捉えることができるという意味ではございません。
サンプルのタンパク質を準備するにあたってバッファーに制限はありますか。
ライブラリー調製のためのプロトコルには、Buffer Considerationsというセクションがあり、推奨バッファーの情報が記載されております。
具体的には下記の成分が含まれる場合、ライブラリー調製前にAmicon Ultra-0.5 Centrifugal Filter Unit (Millipore Sigma) によりバッファーの置換を実施いただく必要がございます。
Primary amines, such as ammonium acetate, ammonium sulfeta, glycine, or Tris |
TCEP |
Sodium Azide |
EDTA |
Reducing agents such as DTT and BME greater than 2 mM |
Glycerol greater than 10% |
If the sample storage buffer is unknown, the buffer should be exchanged. |
製品にControl Peptideがありますが、毎回必ず置く必要はありますか。
Control Peptideを毎回使用する必要はございません。購入も任意となっております。
トラブルシューティングなどの理由でご利用いただくことを想定しております。
Control Peptideの名前「SDQP」とは何ですか。
「SDQP」は「San Diego Quantum-Si Peptide」の略です。製品納品と共に配列情報もお送りしております。
Pltatinumの購入にて提供される製品以外に、利用者側で準備する必要のある実験機器や消耗品はありますか。
一般的に研究室で利用されているような
・ミニ遠心機
・ピペット
・オービタルシェーカーまたはその同等品
・ヒートブロックまたその同等品
・ボルテックス
・パラフィルム
・Nuclease Free Water
・70% isopropanol (IPA)
・キムワイプ
・NanoDrop (Thermo-Fisher Scientific)
・Qubit (Thermo-Fisher Scientific)
・0.5–1.5 mL Eppendorf Protein LoBind® Tubes (Eppendorf) またはその同等品
・Amicon Ultra-0.5 Centrifugal Filter Unit (Millipore Sigma)
以上をご用意いただく必要がございます。
シークエンス時間はどれくらいですか。
10時間のシークエンス時間が推奨されていますが、解析するタンパク質/ぺプチドのサイズが小さい場合、10時間以内でのシークエンスも可能となっております。
さらに、解析ソフトウェアのアップデートに伴いシークエンス時間が短縮される可能性がございます。
シークエンス後の解析にかかる時間はどれぐらいですか。
解析するサンプルによりますが、通常2-3時間で終了します。
メーカーから顧客のPlatinumデータクラウドにアクセスすることはできますか。
通常はできません。お客様のクラウドからアクセスの許可をいただいた場合にのみアクセスすることが可能になります。
解析したデータはメーカーの機械学習に使用されますか。
されません。機械学習のためのデータ蓄積は、メーカー:Quantum-Si社内でのみ行っております。
Platinum本体において、固定IPアドレスを利用することは可能ですか。
可能です。詳しくはお問い合わせください。